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田宮くんは、鈴の隣の席になった。あたし、一番前の席だ…。
ああ、いいな、鈴、あたし席替わりたい!
田代あかね、田宮翔太郎、それで前後でもよかった。間に田中くんが…って嘆いたら田中くんに失礼だな。
しかし、入学式の日早々、鈴と田宮くんの間にただならぬ空気が出来上がった。遅刻しちゃった鈴のことを笑った、と鈴がカン違いして田宮くんを睨みつけたのが原因だった。
あ~あ、一触即発。穏やかに行こうよ、せっかくあたしたち高校生になったんだから。
でも入学式の日から数日経って、あたし、気がついてしまった。そんなことがあったから、何気なく鈴と田宮くんのことが気になって休み時間とかにそっと見ていたんだけど。
よくよく注意してみると、田宮くんが、日に何度も隣の席の鈴のことを見ているのだ。
しかも、とっても、優しい目で。
どっちかというと、田宮くんは鈴みたく?(ごめん鈴)目つきがあんまりよろしくなくて、うーん、少し目が悪いのかな? 細めたりすることがしばしばあるみたいだ。
目つきの悪さがワイルドっぽくて、でも実際は女子たちにも気さくだから、そのギャップが萌えるんだよね~、なんて、田宮くんと同じ中学だった友だちは言っていたっけ。
だけど、鈴を見つめる目は、優しさに満ちている…!!!
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