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あれ? 田宮くんって、もしかして鈴のことが好きになったの?
最初は漠然とそんなふうに感じたんだけど。まあ、確かに鈴は、外見をあんまり構わない性格だけど、ちゃんとすればなかなか可愛い。
目つきはあんまりよくないけど、そんな鈴がときどき、きょとん、とした顔をすると、ついつい抱きしめてあげたくなっちゃう(そんなことをしたら気味悪がられるだけだからしないけど)。
田宮くん、その顔つき、鈴に恋しちゃってるんじゃない?
決定的だったのは体育の時間。鈴はむかしから足だけは速いんだけど、球技がずば抜けて下手だ。
それを、田宮くんを取り巻いている安田里奈たちが陰でバカにしていた。でも、そんな里奈たちの後ろから、たまに田宮くんがすんごい目で彼女たちを睨みつけていたりするのだ。
へえ、田宮くんって、やっぱり鈴のことが好きなんだ…。
そう感じたあたしは、余計気をつけて田宮くんを観察していた。
田宮くんを観察すると、必然的にクラスの他のバスケ部員の男子たちも目に入ってしまう。一番背が高いのが黒川由紀也(くろかわゆきや)くんで、やだ~ゴリランってあだ名、そのまますぎて笑えない。田宮くんよりもちょっと背が高くて、ニキビ顔の池永友(いけながゆう)くん。彼は田宮くんと中学からの友だちのようだ。そして…。
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