嘉永三年 冬

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おふでさんが持ってきてくれたお湯で八郎が足を温めている間に勇さんと白蓮も連れてきた。 『さっ、おもちやこうっ!!』 周助さんが網を置いてくれて手早く餅を置いていく。 『きたきたぁーぷくぅーって!!』 『もう良いですかっ?』 あーもー!!やっぱりこの二人を並べておくと楽しいわぁ~!! 可愛過ぎる!! 小皿に取り分けて少し醤油をかけて頂きます!! 『むぅーーう。あふぃ!!あふぃ!!のびるのびるーー。』 『うまぁ!!』 『きな粉とあんこも持ってきましたよ。』 『さすがはちろー!!』 『おい、俺には大根おろしくれ。』 『はい。今、持ってきますね。』 おふでさんが障子を開けるとそこには兄弟子達の姿が!! 『あらっ?』 『あっ!?』 『あーー!!これはあげなっ!!ませんよっ!!』 がるるるるッ!!取ってみろ!!噛みつくぞ!! 『しぐれぇ。たべかけなんてとらないよ。』 『大丈夫ですよ。まだたくさんありますから。どうぞ。』 こんな奴らにまで優しいなんて!!なんてハイスペック!! それにしてもこの焼けるときの匂いがたまらんっ。 『もういっこちょうだぁーい!!!!』 『あんまりはしゃぐと喉に詰まりますよ!!』 『らいひょうふやよ。』 『しぐれ!くちにはいってるときは?』 喋らない。です。はい。 今日はよく怒られるな~。 『ほら、お前達もここに座って食べろっ!』 『頂きますっ!!』 げー。周助さんが誘うから、嬉しそうな顔して寄ってきたじゃん。
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