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『あ!時雨!!それは俺のだ!!』
『ちがいまーす!!これはわたしのですっ!なまえかいてありました~?』
『くっそう!!お前食べ過ぎだ!!』
『そんなことはないですよ!!おそい方がわるいんです!!』
『まだ、ありますから。喧嘩しないでくださいっ。』
むう。八郎がそう言うならしょうがない。今回は見逃してやろうかなっ。
『だとよ。八郎はえらいなぁ。』
『そんなことないですよ。』
周助さんに誉められて八郎、嬉しそう。
『では、あにでしどの。こちら、やまぶきいろのかしでございます。おくちにあえばよろしいのですが。ど~ぞ、ごしょうみください。』
と、新しく皿に乗せたお餅に醤油を塗り兄弟子に差し出した。
『な、何だよ時雨!!いきなり。』
『え?しらないの?あくだいかんごっこ。』
お主も悪よのう。って言わないとだめじゃん。
『ねぇ。しぐれ?それって、だれがあくだいかん?』
『おい!!まさか、俺が悪代官だってのかっ!!』
『あーあー。はくがよけいなこというから~。』
ニィッと笑うと兄弟子が悔しそうに立ち上がった。
『このやろっ!!』
『うるせーぃ!!外でやれぃッ!!!!』
『『えっ!!』ぎゃふっ!!』
掴み合いになりそうな所を周助さんがポイッと外に投げた。
雪が積もってて痛くないけど、痛くないけど、
『つめたーい!!せなかにはいったぁ!!さむい!!』
慌てて縁側に這い上がると再び!ポイッ!!
『つめたーい!!しゅうすけさん!!ひどい!』
『うるせー!!兄弟子をおちょくってる暇があんなら、ちょっくら外で走ってこい!!』
えぇー。寒いのやだ!!おもちは!?
『しゅうすけさん、おもしろすぎるっ!!おじいちゃんなのにつよすぎるよね。しぐれたちをなげるとかっ!あははははッ!』
あ、周助さんの目が。
ペイッ!!
『つめたっ!!』
白蓮ちゃーん。いらっしゃいっ。
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