嘉永三年 冬

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バシリと障子まで閉められた。 『あーあ。おこらせたぁ~。』 『え!!ぼくのせい?』 『おじいちゃんはだめでしょ。』 『そこ!?』 『ってかお前ら俺を無視するな!!』 あ、完全に忘れてたよね。 『もとはといえばさ、けんかしてたしぐれたちがわるいんじゃん!?』 そう言いながら白蓮は手元の雪を丸め始めた。 『いや、だって、それは、あにでしが!!』 少しづつ後退りをして距離を取る。 『おい!!寄ってくるな!!』 いや、逃げますよわたしは。 だって、白蓮さん、やる気なので!! すみません!!的になってもらいますっ!! 兄弟子を後退りで盾にすると振り返りダッシュを決めた。 『あ!ずりぃ!!!!』 『ふ、ふ、ふ、そうくるとおもってたよ。しぐれー!!ぼくからにげられるとおもってるのッ!?』 『イテェッ!やったなっ!!』 兄弟子の顔に雪玉をヒットさせて白蓮は嬉々としてわたしを追いかけ始めた。 『まきこんでごめんなさーーい!!』 『しぐれーー!!かくごはいいー??』 『いやーーー!!』 ズベッ!! 『うわっ!!』 滑って仰向けに転んだ上を雪玉が無数に飛んでいく。 何個持って走ってたの!? 『よけたの!?ころんだの?!どっち!?』 わかってるくせに!! 『ころんだの!!』 笑いながら白蓮が起こしてくれた。 『しってる。ばちが当たったな。あはははっ!!しぐれゆきまみれ!!ブッ!』 あ!白蓮の顔に雪玉が!!
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