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私は本来、社交性の乏しい人間であります。それに反している、または共存関係なのか、私という人間はガラス細工のように繊細な人間でもあります。
人付き合いが苦手な上に、みんなから好かれようとする。結果、誰からも好かれない。
こんなことを続けるうちに私が気付いた時には、白い天井と向かい合い、鼻にツンと刺さる薬品の刺激臭が私を歓迎していた。
右の腕には、チューブが取り付けてあるが、簡単に動かすこともできる。しかし、右の腕の違和感がそんな私の僅かな好奇心を億劫にさせた。
そのまま、体感で何時間か天井とにらめっこしていたが、少し騒がしい音がこの空間を揺さぶった。
白衣の天使もとい白衣の紳士が私に歩み寄ってきた。男性看護師というのを、ここで初めて見た。
医療も男女の垣根がなくなってきたのかと感心していると、男性看護師は手際悪く私の右の腕に繋がれたチューブをいじり始めた。
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