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「マコ!マコ!おい、マコ!」
「ん…ヨミ…」
マコの目にはじっとりと涙が浮かんでいた。
「ヨミ…お母さんが…お母さんが…」
儂はこの後、初めてマコから事の一切を聞いたのじゃ。
「夢…だったのではないかの?儂が戻るまでの数分にあった出来事とは思えんのう。」
「あたしも…なんだか時間の感覚がおかしいよ。確かに実感はあるのに、遠い感じ。あ!そうだ!カレー!」
もしも全てが夢なら、カレーはマコの居眠りによって焦げているはずじゃ。しかし…
「火が消えてる…」
マコは恐る恐る鍋の蓋を開けた。するとカレーは見事に完成しておった。
香ばしい香りが何よりの証拠じゃった。
マコはカレーを少しすくい、口に運ぶ。
「これ…これだよ…ヨミ…これ…お母さんのカレーだ…!」
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