金田さんと壊れたパソコン

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  金田さんはパソコン研究会の会長さんで高校二年生。  え、何故私の先輩にあたる金田さんが、私なんかと付き合っているかって?    んなもん、こっちが聞きたいわ。    始まりは4月の終わりのことだ。  私の教室に金田さんがやってきた。  人づてに私を呼び出した先輩は私を廊下まで連れだしてきた。    いやあ、もう私は心臓止まるかと思った。見覚えがあるどころじゃなかった。つい先日仮入部し、パソコン一台壊したあのパソコン研究会の人だと直ぐ分かった。  しかも、彼は胸はって、なんか偉そうだよ?   もしやこれ、弁償しろっていう空気じゃない? 「――弁償しろ」ほれきた。  私は何も悪いことはしていない。  パソコンの電源入れてブラウザを開いただけだ。  で、PC本体から煙出してしまった新入生、それが私なのだから。  しかも私の壊したパソコンは学校所有の演習用のではなく、研究会所有のものなのだから、当然だ。  一体、一台いくら掛かるのだろう。  しかし、金田さんは予想外の言葉を続けた。 「と、言いたいところなのだがな。君が壊したタイプはうちで一番古い機種でな、サポートも切れかけていてな、どのみち買い換えようと思っていた所だ」    開いた口がふさがらない。え、それって。 「ちょうど部の予算申請も通ったところでな、資金には困っていない」 天使が金を鳴らす。 「ホントですか!?」  なんて幸運なのだろう。さすがに数十万の失費は覚悟していたので、安堵した。
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