case1:イケメンの世界

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「おい、クリームパンつったろーが!何、チョコパン買ってきてんだよ」 「ちっ、使えねーな」 ドカ―! 「痛い、です……」 買って来いと言われて買って来たパンを投げつけられ、複数の男たちに蹴られているのは僕、有松俊夫(ありまつとしお) 高校2年だ。 しかしながらこの名前を呼んでくれる人など誰もいない。 「キモ男くんよ~顔、失敗作なんだから、おつかいくらいちゃんとやれよな」 「ギャハハハ、勇将ナイス~」 「まじうける、ほらもう1回買いにいけよ」 俗にいうイケメンの部類にあたるアイツらは、人を蔑むことばかり考えている。 醜い相手を見つけていじめて楽しむなんて人として最低なヤツらだ。 身体を無理やり立たせて、よたよたともう一度購買に向かう。
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