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しかも久志の言う通りだとすると、夜通し夏樹が久志に触って欲しいと求めたことになる。
(まさか、俺……とうとう最後まで……?)
夏樹は布団の中でそっと自分の後ろに手を伸ばしてみた。
初めての時は、受け入れた場所にかなりの違和感が残るらしいと聞いたことがある。だが、夏樹の後ろはこれといった痛みも違和感もなく、普段と変わりない。
久志のテクニックが相当のものだったのか、それとも……。
(久志さんのが意外と小さかった……? いや、前にちょっとだけ見たことがあったけど……小さくはなかった……はず)
「失敬だな」
布団に潜って色々と考えを巡らせる夏樹の頭上で、憮然とした久志の声がした。
「私のテクニックが相当なものだというのは否定しないが、サイズについては君の思っているのとは違うな。何なら見てみるかい?」
「は? 俺、何も言ってない……」
「夏樹。君、心の声が漏れているよ。何というか、そんな素直なところも愛しいが」
甘い言葉とともに、ベルトを外すカチャカチャという音が布団の中にいる夏樹の耳に入ってくる。
「ちょ、えっ――久志さん! 何やってるんですかっ!」
夏樹は未だ心の整理がついていない。それなのに、朝っぱらからこれ以上の濃ゆい展開は恋愛に未熟な夏樹には想像の範疇を超えている。
夏樹は慌てて布団の中から顔だけを出した。
「久志さん! ほんと、待って……」
「やあ。やっと顔を出してくれた。せっかく目を覚ましたのに、君のその可愛らしい顔が見られないなんて寂しいよ」
微笑みながら夏樹にそう告げる久志だが、すでにズボンが腿あたりまで下ろされている。さらに下着へ手を掛け、そのままずり下ろそうとするのを見て、夏樹は思わず手を伸ばした。
「久志さん! ストップ! 見せなくていいです、久志さんのサイズがとっても立派なものだというのは知ってますからっ!」
ベッドの傍らに立つ久志とは、夏樹が手を伸ばせばすぐに届く距離だ。
だが、慌てて勢いがつきすぎたため、夏樹の手は下着の端を持つ久志の手とともに久志の腿の横を滑り落ちてしまった。
「――――ん、ぐっ」
そのままの勢いで前へつんのめってしまった夏樹の顔面が、久志の股間へダイブする。
「こらこら、積極的なのは嬉しいが、まだ君は体調が万全ではないだろう?」
「…………」
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