第一章

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蒸し暑い夏だった。まるでその時間が永遠であるかのように苦痛だった。 人間とはわがままな生き物だ。夏が暑ければ早く冬になってほしいとほざき、逆に冬が寒ければ早く夏になれとぬかす。 だからこそ、ごく短い(もっとも、そう感じるだけだろうが)秋や春を心地よく過ごすのだろう。 これから話すことは、そんな夏の出来事。僕の人生で最も短かった、夏休みの出来事である。
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