プロローグ4 使い魔召喚の儀式

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 当夜8時45分…、 「母上、ちょっと散歩行って来ますね。」 「うん。気をつけて行って来てね。」 「はい。行って来ます。」 「(そろそろ、逢うと思うよ、気配的に。多分、突き当たりの両角に隠れている。リリス、ベルフェゴル、準備は良い?)」 「「(OKです。)」」 僕はそのまま進み、角の少し手前で止まり、ここら一帯を魔法陣で覆うイメージをして詠唱する。 「我ら為すこと残らず録り、映し給え、映したるは皇城中庭なり、投影投射!」 ここら一帯辺りのものを遠く離れた場所に映し出す魔法である。この世界にはカメラ等記録媒体がない。それならば、在りのままを映し出すしかない。これは、魔力の消費激しいから誰も使わないし、現時点で魔力が宮廷魔法師の10倍あると言われる僕でも30分が限度で、継続して魔力を注がなければいけない為一人ではできない。 「(皇城にいる人たちもびっくりだろうね。リリス、ベルフェゴル、頼んだよ。)」 僕はそのまま突き当たりに差し掛かる。 「夜神家のガキ、覚悟しやがれ!」 一気に20人位がなだれ込む。 「封攻壁!」 周囲に攻撃を防ぐ壁を張る。僕は集団戦得意じゃないし、仕事柄受け手になることないから受け身得意じゃない、けれど、相手から攻撃受けなきゃ正当防衛成り立たない為、ある程度攻撃受けなきゃならない。 「クソ!攻撃通らねえぞ!」 「おい、散らばれ!魔法使うぞ!」 魔法使うみたいだな。 「反射鏡!」 「雷神よ、敵に大いなる罰を与えよ、雷神衝(ライトニングプレッシャー)!」 「灼熱の炎よ、敵を焼き払え、灼熱波(バーニングウェーブ)!」 「鎌鼬よ、敵を切り裂け、風斬刃(ストームエッジ)!」 魔法を跳ね返す壁を張るのと同時位に魔法が飛んで来た。しかし、魔法が術者へ跳ね返る。 「(自分の魔法、自分で喰らったら意味ないね。)」 「くそったれ!」 「何だと!」 「この野郎!」 魔法が通じないと見るや、武器を持って襲って来る。 「煙幕!」 黒い幕を辺り一面にまき散らす。 「見えねえ!」 「クソ、奴はどこだ!?」 「煙幕を風で飛ばしてくれ!」 「わかった。吹きすさぶ風よ、対象を吹き飛ばせ、風吹破(ウィングバースト)!」 彼らが煙幕処理している間に僕は魔法の準備を整えた。 「対象を麻痺させ、動きを止め給え、麻痺領域(パラリシスエリア)!」 運動神経の伝達を一時的に阻害するもので、大体6時間位の効果、生死には問題ないよ。
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