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当夜8時45分…、
「母上、ちょっと散歩行って来ますね。」
「うん。気をつけて行って来てね。」
「はい。行って来ます。」
「(そろそろ、逢うと思うよ、気配的に。多分、突き当たりの両角に隠れている。リリス、ベルフェゴル、準備は良い?)」
「「(OKです。)」」
僕はそのまま進み、角の少し手前で止まり、ここら一帯を魔法陣で覆うイメージをして詠唱する。
「我ら為すこと残らず録り、映し給え、映したるは皇城中庭なり、投影投射!」
ここら一帯辺りのものを遠く離れた場所に映し出す魔法である。この世界にはカメラ等記録媒体がない。それならば、在りのままを映し出すしかない。これは、魔力の消費激しいから誰も使わないし、現時点で魔力が宮廷魔法師の10倍あると言われる僕でも30分が限度で、継続して魔力を注がなければいけない為一人ではできない。
「(皇城にいる人たちもびっくりだろうね。リリス、ベルフェゴル、頼んだよ。)」
僕はそのまま突き当たりに差し掛かる。
「夜神家のガキ、覚悟しやがれ!」
一気に20人位がなだれ込む。
「封攻壁!」
周囲に攻撃を防ぐ壁を張る。僕は集団戦得意じゃないし、仕事柄受け手になることないから受け身得意じゃない、けれど、相手から攻撃受けなきゃ正当防衛成り立たない為、ある程度攻撃受けなきゃならない。
「クソ!攻撃通らねえぞ!」
「おい、散らばれ!魔法使うぞ!」
魔法使うみたいだな。
「反射鏡!」
「雷神よ、敵に大いなる罰を与えよ、雷神衝(ライトニングプレッシャー)!」
「灼熱の炎よ、敵を焼き払え、灼熱波(バーニングウェーブ)!」
「鎌鼬よ、敵を切り裂け、風斬刃(ストームエッジ)!」
魔法を跳ね返す壁を張るのと同時位に魔法が飛んで来た。しかし、魔法が術者へ跳ね返る。
「(自分の魔法、自分で喰らったら意味ないね。)」
「くそったれ!」
「何だと!」
「この野郎!」
魔法が通じないと見るや、武器を持って襲って来る。
「煙幕!」
黒い幕を辺り一面にまき散らす。
「見えねえ!」
「クソ、奴はどこだ!?」
「煙幕を風で飛ばしてくれ!」
「わかった。吹きすさぶ風よ、対象を吹き飛ばせ、風吹破(ウィングバースト)!」
彼らが煙幕処理している間に僕は魔法の準備を整えた。
「対象を麻痺させ、動きを止め給え、麻痺領域(パラリシスエリア)!」
運動神経の伝達を一時的に阻害するもので、大体6時間位の効果、生死には問題ないよ。
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