プロローグ4 使い魔召喚の儀式

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「僕は夜神黄泉だよ。二人ともよろしくね。」 「「よろしくお願いいたします、黄泉様。」」 僕達は挨拶を交わす。 「君達はハーフエルフだよね?」 「はい。母がエルフで、父が人間だったと聞きました。父の顔は知りません。純血を重んじるエルフのコミュニティから母と私達姉妹は追い出され、母は亡くなり、私達は奴隷に陥りました。」 「そうなんだ…。」 「黄泉様は優しそうな方で、幸運だと思います。」 「まあ、僕は反抗したりしたからといっても罰を与えたりなんかしないから安心してね。」 「「はい、ありがとうございます。」」 ハーフエルフの姉妹はお礼を言う。 「ここでは目立つから屋敷に戻るよ。転移!」 眩い光が周りを包み、屋敷の前に転移した。転移は一度行ったことがある場所ならどこでも行ける。 「忘れていたけど、君達の名前を教えて貰っていい?」 「私は美菜です。」 「私は佳奈です。」 見分けるポイントとしては右頬にほくろがあるのが美菜、ないのが佳奈という位しかない。 「じゃあ、美菜、佳奈、よろしくね。」 「「よろしくお願いいたします。」」 「美菜ちゃん、佳奈ちゃんね。私は、貴女達の主人、黄泉ちゃんの母、紫苑よ。よろしくね♪」 母は美菜、佳奈に挨拶をする。 「「よろしくお願いいたします、紫苑様。」」 美菜、佳奈も挨拶を返す。 「駄目よ、二人とも。お母様と呼んで頂戴?」 母が呼び方を訂正させる。まあ、娘がいないから、母からすると二人は娘みたいなものだよね。 「「はい、お母様。」」 三人抱き合って、挨拶は終わったみたい。 「ところで、黄泉ちゃん、契約術は終わったの?」 母が尋ねて来る。 「いえ、まだですよ…。」 僕は答えた。 「そう?二人とも反対ではなさそうだけど、二人は良いかしら?」 母は美菜、佳奈に尋ねる。 「「はい。」」 二人ははっきり答えた。 「よかった。それでは早速始めるよ。」 「「はい。よろしくお願いいたします。」」 僕は魔法陣を描き、詠唱を始める。 「我に従いし者と契約を結ぶ、我が名は夜神黄泉、契約結びし者は美菜、佳奈。契約成立!」 魔法陣は閉じられ、契約は成立した。これで、離れていても美菜、佳奈の居場所探知出来るし、危害加えられそうになってもわかるから安心だね。 「改めてよろしくね、美菜、佳奈。」 「「よろしくお願いいたします。黄泉様。」」
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