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朝食を食べて、歯磨きをしている。
「黄泉様、本日はギルド登録の予定になってます。」
「ギルド登録が終わり、時間次第で依頼を受けるという予定ですね。」
本日の予定を伝える美菜、佳奈。メイド兼秘書みたいな感じだね。僕は、現在、皇都の領家屋敷に、昨日、使い魔召喚の儀式依頼2年振りに来た。ギルドとは、依頼(格好良く横文字を使うとクエストやミッションと呼ぶ。)を仲介する機関で、依頼者は貴族から平民の個人であったり組織であったりする。ギルド登録者(冒険者と呼ぶ)にはF~S迄のランクがあり、Fが一番下、Sが一番上である。依頼に適したランクが割り当てられ、そのランク以上でないと請け負うことができない、レベル相応な依頼を受けさせるという仕組みになっている。ランクを上げる為には依頼を熟すこと、定期的に行われる昇格試験で実力を評価して貰うことが必要で、ちなみに一日に受けられる依頼は一つとなっている。ギルド
は各地に支部があり、緊急時には皇陛下の召集に従う事となっている。僕は夜神家が請け負った依頼で父や兄、郎党の人達と共にしたことはあるけれど、冒険者についていったことはないので、冒険者の実力というものがわからない。
「わかった。じゃあ、準備するから待ってて。二人とも一応、武器は持って行くよ。」
「「はい。」」
僕の武器は小太刀二本と隠し武器として、剣先が尖っている短剣スティレットとダガー各五本、美菜は弓矢と短剣ダガー五本、佳奈は杖、二人ともエルフの血が混じっている為か、人間族より精霊魔法を使いこなすことが出来るし、弓矢の扱いも上手い。接近戦術として、護身術、短剣術をたたき込んだ。皇都と言っても夜盗、強盗、人攫い、殺人等時々ある為武器携帯なしで出歩くことは危険であり、平民でも武器携帯しているし、貴族は護衛を伴って出歩くことが常識となっている。僕達は護衛無しでも出歩ける、僕が美菜、佳奈の護衛みたいなものだ。
「それじゃあ、行くよ。」
「「はい。」」
僕達三人で登録する。二人を留守番で屋敷に置いておく事の方が危険なんだよね。物騒な世の中さ、平和な地球、日本が懐かしい。
皇都は大和皇国の中心という事で人通りが多く、はぐれない様に手を繋いで歩く。歳は美菜、佳奈が二つ上で、背丈は僕が150、二人が160あるので、外から見ると弟を連れて歩く姉二人という感じである。
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