70人が本棚に入れています
本棚に追加
僕達はお姉さんが戻って来るのを待っていた。
「おい、そこのガキ!ここはおこちゃまの来るとこじゃねえぞ!とっとと帰って、ママの乳でもしゃぶってな!そして、そこのお嬢さん方、そんながきんちょより俺達の相手しな。」
大きな手斧担いだいかついおじさんと連れらしい大剣背負った男、緑のローブを纏い杖を構えた男が近づいて来た。向こうで騒いでいた連中は静かになった。
「「嫌です!」」
美菜、佳奈はきっぱり断った。
「何、言っとんねん、わいらを誰かわかって言うとるんか、われ!」
男は睨んで怒る。怒ってるから睨んでいるのか…。怒りと強欲、嫉妬、色欲、倣慢の感情がありありと見える、すごく不快であり、愉快である。
「はて?どちら様でしょうか?僕達、昨日こちらに来たばかりやもんで…。」
僕は率直に答えた、実際知らない。北方のビッグベアと対峙したことがある僕にとって、この男の体格がどうあれ、霞んで見える。まじでおっかない奴らだった。
「何やと、このガキ!わいらをおちょくっとるんかい!わいらは‘暴虐の三鬼’!どうや、怖じ気着いたなら帰って、ママの乳でもしゃぶっとれ!」
全然知らない…。
「美菜、佳奈、下がっていて。」
「「はい、黄泉様。」」
美菜、佳奈を下がらせる。
「やる気か、ガキ!」
おじさん達は構える。
「おじさん達、僕は怒ってるんだよね。僕を馬鹿にしたこともそうだけど、僕の大切なものに手を出そうとしたこともね。」
「「黄泉様…。」」
美菜、佳奈は頬を赤らめる。
「母上の乳なんてしゃぶったら…、くすぐり魔女が出てくるんだ!!!」
ガクッ、美菜、佳奈の胸熱くなる雰囲気は崩れ去った。
「てめえのことなんか関係ねえ、くたばれ!」
手斧の男、大剣の男が襲って来た。
「(殺しちゃいけないんだよね。)」
手斧の男の攻撃を避け、懐に潜り込み鳩尾に正拳突きを打ち込み、屈んだところ、顎に勢いよく頭突きを喰らわし、詠唱中の男の方へ投げ飛ばす。止まらず、大剣を避け、肘鉄を思い切り男の利き腕側のひじに当てる。 男の握りが弱くなったところ、剣の柄に向かい飛び蹴りして剣を蹴り飛ばす。
「剣がないからといって甘く見るな。」
男は殴りかかって来る。
「見える…、そんな攻撃じゃあ当たりませんよ。」
僕は首を少し倒したり、身体を少し横に倒したり、余裕を持って避ける。
最初のコメントを投稿しよう!