止まらない想い

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それは、私のお守りだった いや・・・正確に言えば 私が健斗にあげようと思っていたお守り 高校卒業のときに 私は両親に連れられて学業に強いといわれる神社へ合格祈願に行った そのとき、思わず健斗にも 大学の合格祈願のお守りを買っていて 私はいつか、あげれれば・・・と密かにいつも持ち歩いていたのだ もちろん、そんな勇気も無く 渡せなかったお守りは私の元にずっとあったんだけど・・・ それから何年も捨てられず 私はそのお守りを鞄の奥にしまって持ち歩いていた あの頃の想いは・・・私の中でまだ続いていたのかもしれない 「私、あの日・・・鞄からこのお守り落として出かけてたんだ・・・」 バイトに行く前、鞄を雑に探った記憶が蘇る あの時・・・きっと鞄から落ちたのだろう はぁ・・・。 これ、今更すぎて 健斗に見せても仕方ないよね・・ でも・・・ やっぱり、あげたかったかも。 そのお守りはただのお守りじゃない このお守りに私はもう一つ 特別な思いをこめた 「Kento Fight!」 布で作った小さなタグ バチ当たるかな・・・ そう思ったけど、健斗に特別なお守りを渡したかった はぁ・・・。 拾い上げようとして、かがむ どうせ・・・触れないんだけどね・・・ 手を伸ばしてそーっと触れる ・・・??! 「え?!触れるんだけど!!?」
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