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お守りを拾い上げ、私は気づいた
これが・・・思い残し・・・?
ギュッとお守りを握り締め、私は部屋を飛び出した
もちろん、もう電気は流れなかった
健斗に、このお守りを渡すことだったの・・?
私の思い残し・・・
これを渡して、あのときの気持ちをちゃんと伝えよう
もう、死んじゃってどうにもならないけど
気持ちに嘘ついたまま死ねない・・・!!
「健斗??!」
健斗の名前を叫ぶ
どこにも彼の姿が見えない
お守りを握り締めると、あの頃の気持ちがどんどん強くなる
なんだろう、この気持ち
泣きそうなくらい
想いがあふれてくる
こんなに私・・・健斗の事好きだったんだ
探しても健斗が見つからないので
私はその場に座り込んだ
お守りを見つめる
ずっと鞄に入れて持ち歩いていたから、もうクタクタになっている
下手くそな文字の刺繍
なんであの時、渡さなかったんだろう
あんな風に別れちゃったんだろう・・・・
あのまま付き合っていたら、今頃どうなっていたんだろう・・・
『タラレバ』の思いにふける
はぁ・・・。
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