出席番号 6番と4番と36番

出席番号 6番と4番③出席番号6番と36番 ①

「暇だ……」

「なら市民プールでも行って来たら良いでしょう？」

待ちに待った夏休みがやってきたが、毎日予定が入ってるやつなんているんだろうか。
少なくともバイトも塾も行っていない俺は暇を持て余している。
リビングのエアコンをONにして、アイス片手にごろごろしていたら母親に追い出されてしまった。
どうやら相当俺を追い出したかったらしく、市民プールの入場料を払ってもおつりが出そうな野口さんを１枚進呈された。
ラッキー。
そう、ここでラッキーと思って馬鹿正直にプールなんか行かずに漫画喫茶やファミレスに行けばよかったのだろう。
でも俺は『夏と言ったらプールだよね。母さんも言っていたし』と思い、市民プールへと足を運んでしまった。
馬鹿。俺の馬鹿。
過去に戻ることが出来るなら俺はプールに行くと言う選択肢を撤回したい。