出席番号 6番と4番

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「じゃあ出席番号順にペアになってお互いの顔を模写して提出してー」 3,4時間目の美術の授業は模写らしい。 基本移動教室も教室と同じ並びで座るため、俺は出席番号6番なのに5番目に座る。 どうやらこの時間中に仕上げなければならないらしく、終わらなかった者は居残りして仕上げろとのこと。 俺も早々に取り掛かろうと出席番号5番の小野田に声をかけようとしたら、彼は出席番号3番の宇津井と向かい合って模写を始めているところだった。 「ちょっとちょっと!小野田は俺とペアでしょ!小野田5番、俺6番!」 「あー悪い。ついいつもの癖で宇津井と組んじまった。時間もないし柿崎は江澤と組んでよ」 「えっ……」 そう俺に告げた小野田は宇津井と向き合ってサッサと鉛筆を滑らせる。 確かに教室の並びは宇津井→小野田→俺→江澤になっている。本当は宇津井→江澤→小野田→俺なのに。 もう話は終わったとばかりに小野田は宇津井の模写を始めている。 早く仕上げなければいけないのは分かっている。分かっているけどこのままだと俺のペアは……。 「じゃあ始めようか」 固まる俺の肩を親しげに抱いた江澤の声が地獄の時間のスタートとなったのだった。
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