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「さあ着きました」
ちょっと小高い丘の上、遠くに海が見えて夜景も綺麗だ、この星の環境はとても良好に思える。
「ここは?」
ログハウスのような小さな家屋、彼女の住まいなのだろうか。
「私の職場です、コミュニティーFM局をやっています」
「え、えふえむ、局とは?」
僕の問に彼女は無表情のまま答えた。
「超短波を用いて音声、その他の音響を送ること、放送を通じて色々な情報を共用すること、その配信元の仕事をしています、もっとも放送対象地域が狭くて小さいので地域限定になりますが」
それでコミュニティー放送か、しかしこれは余りにも規模が小さい、このコミューンですら放送がゆき届くとは到底思えなかった。
「ごく小規模のマスコミュニケーションをしていると言うわけですね」
「そうですね」
彼女は小さなドアにカギをさし開けた。
「入れるかしら」
覗き込んで見たが、屈んで入ってしゃがんでいれば大丈夫だろうけど、くつろぐことは出来ないな、苦笑いで応えた。
「おじゃまします」
その辺の物を壊さないように気を使って腰を落とす、ソファーにもたれかけるように床に座る。
「コーヒーを入れるわ、お腹は減っていますか」
「ありがとう、お構いなく」
部屋の中にモニターが数台と入力装置を見つけたコンピューターの端末機だろうか、コンパクトでレトロなデザインに興味をそそられた。
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