3/8世界

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「さあ着きました」 ちょっと小高い丘の上、遠くに海が見えて夜景も綺麗だ、この星の環境はとても良好に思える。 「ここは?」 ログハウスのような小さな家屋、彼女の住まいなのだろうか。 「私の職場です、コミュニティーFM局をやっています」 「え、えふえむ、局とは?」 僕の問に彼女は無表情のまま答えた。 「超短波を用いて音声、その他の音響を送ること、放送を通じて色々な情報を共用すること、その配信元の仕事をしています、もっとも放送対象地域が狭くて小さいので地域限定になりますが」 それでコミュニティー放送か、しかしこれは余りにも規模が小さい、このコミューンですら放送がゆき届くとは到底思えなかった。 「ごく小規模のマスコミュニケーションをしていると言うわけですね」 「そうですね」 彼女は小さなドアにカギをさし開けた。 「入れるかしら」 覗き込んで見たが、屈んで入ってしゃがんでいれば大丈夫だろうけど、くつろぐことは出来ないな、苦笑いで応えた。 「おじゃまします」 その辺の物を壊さないように気を使って腰を落とす、ソファーにもたれかけるように床に座る。 「コーヒーを入れるわ、お腹は減っていますか」 「ありがとう、お構いなく」 部屋の中にモニターが数台と入力装置を見つけたコンピューターの端末機だろうか、コンパクトでレトロなデザインに興味をそそられた。
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