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いた、この星の人、たった一人だけど、文明人だ、女性、キャスターだろうかマイクを持っている、小綺麗で少し値の張りそうなミニスカート、ブラウスのボタンを一つ開けて男の弱みにつけ込む辺り自分に自信がかなりあるのが見て取れる、それはそうだ、キリッとした眼に遠視用メガネ、ナチュラルメイクでも化粧映えしそうな良素材、明らかに美女だった、しかし僕はそんなお高く止まった女性が大嫌いだった、可愛げが全く無い、なんて思っていたのだが。
「な、なんて可愛いらしいんだ」
「え!?」
ファーストコンタクトは無意識に口から出た言葉だった。
一歩また一歩と彼女に近づき見下ろすと少したじろぐ表情が影の中にすっぽり収まった。
僕の半分しか身長が無く、小さく華奢でまさに美しい人形のよう、身の丈が小さいだけでこんなにも弱々しく見えてしまうのか、守ってあげたい気持ちと、愛おしくて飾っておきたい気持ちがごっちゃになる、想像以上の可愛いさに興奮した、そんな目で彼女を見つめていると、怖れを我慢しているのか額に光る汗が一つ零れたのを見て、僕は膝を地につけた。
「僕と結婚して下さい」
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