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「な、何をいきなり」
彼女は踵を返し、そう言い捨てると走り出した、僕は後を追いかけた、つい先走った言葉の撤回と謝罪をしたかったのだが。
「ま、待って下さい」
「き、きゃーっ」
三メートル二十もある見たこともない巨人がドスンドスンと迫り来る、ただならぬ恐怖だったろう、彼女は転んで膝を擦りむいても瞬時に立ち上がり、脱げたパンプスの片方も構わず一心不乱に逃げ回った。
「ご、ごめんよ、襲ったりしない、逃げないで」
「イ、イヤ、こ、こないで」
「頼れる人がいないんだ、独りぼっちで」
「え?」
「動くなーっ」
男の大声に驚いて振り向く、制服姿に携帯型の銃を持っているところをみると警察だろう、僕を見上げて震えながら構える銃が危なっかしい。
「僕は、う、宇宙から来たハルキと言います、、、」
両腕を上げ静かに足を一歩前に出すと。
「動くなっ、動くなと言っているだろっ」
ダメだ相当興奮している、この場はこの人の言う通りに黙って従うしかない。
僕はその後やってきた三人の警察と一緒に連れていかれた。
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