3/8世界

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それにしても狭い、なにもかもが小さいせいで腰が痛い、頭も何度もぶつけた、建物内では立つことはもとより下手な椅子だと潰れてしまう、鳥籠のような部屋に押し込まれて小さなベッドに座って頭を抱えていると背広姿の年配の男が鉄格子のドア越しに話しかけてきた。 「背が高いねぇ、君出身はどこだい?」 「僕の星は六万光年の彼方の--」 「アハハ、面白い事を言う人だね」 困ったな、誰も僕の話を信じてくれないどころか聞いてもくれない。 それに僕をこの星の人間と決めつけている、普通身長差を見れば異星人だと分かるものだけど異星間コンタクトでこんな稀なトラブルがあることを初めて知った、でも今僕は特別なアイテムを持っているわけでもなし異星人と証明できるすべがない。 「さあ本当の事を話してくれないか、じゃないと家に帰れないぞ」 本当に困った、どうにかこの星の代表者とか民族のお偉いさんとかと連絡を取れないだろうか、この年配の男の人に頼んでみようと思った時だった。 「身元引受人が見つかりました」 制服姿の若い男がドアから顔を出しそう言った。
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