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ーーー☆ーーー
そして、『いつものルール』が世界を覆う。
まるでイレギュラーの消失に合わせるように。
最初は絶対女王を蝕む純白が標的となった。
無敵魔導艦隊による一斉砲撃が姫川楓を薙ぎ払ったのだ。
「な、んだ……!?」
猛烈な爆風と爆音が地を舐める。思わず右腕で顔を庇う東城は、直後に気づく。
絶対女王を蝕んでいた姫川楓は排除された。
世界最強を封殺する因子は消失した。
つまり。
つまり!
つまり!!
「にゃは☆ よくもやってくれたにゃあ!!」
最強が解き放たれる。
そこで終わらない。
だんっ!! と。
第零騎士団やエインヘリヤルといった猛者たちが彼らを取り囲むように降臨したのだ。
「話を聞く気はねえか?」
「にゃは☆ こちらの要求は一つ。世界を蝕む『漆黒』の命だけにゃあ。差し出すにゃらお前たちは見逃すけど、庇うにゃら粉砕するだけにゃあ」
「あいつらはここにはいねえよ」
「にゃら『とりあえず』お前たちを殺すにゃあ。断末魔に引っ張られて姿を現すかもしれにゃいし、最後まで姿を現さにゃかったとしても『漆黒』の手札を破り捨てることにはにゃるんだしにゃあ」
『この世界のルール』を知らないルムたちはこのような展開になるとは予想していなかったはずだ。統一政府の標的はルムなのだから、ルムさえいなくなれば巻き込まれただけの東城たちは見逃してもらえるとでも考えていたのだろう。
そうじゃなければ、あの時代錯誤な善性たちが異世界に逃避するはずがない。そこまで割り切れるような人たちではなかった。
───全部分かっていて、東城は見送った。
なぜなら、これは『この世界の』歪みである。こんなものにルムたちを巻き込んで、命の危機にさらす必要はない。未来軸ならともかく、今の東城はそう思うことができた。
だから。
ブォンッ!! と刃を世界最強へ突きつけ。
ちっぽけな少年は時代に剣を突き立てるがごとき咆哮を放った。
「覚悟しろよ、女尊男卑の最高峰。この俺が、男が! 最弱が!!全員生還のハッピーエンドってヤツを見せてやるッッッ!!!!」
最終的に。
覚醒した姫川楓が何とかしてくれた。
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