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「ふ、ふおおおっ。ルムちゃんお肌すべすべーっ。陽香ちゃんおっぱいばいんばいーんっ。何これ両手に花じゃんぱらだーいすっ!!」
「何をするんですか撫で回さないでくださ、わひゃあ!? どこを触っているんですかっ」
「ふふん。大和っち以外に触れられたって感じないんだから!!」
「そこ威張るところなんですか!?」
「ふふふ。これはもう同意ってことだよね抵抗しないもん受け入れているもん好き勝手やっちゃっていいのよね美味しくいただいていいってことよね!? ひゃっほーっ」
「ひゃっほーっ、じゃありません! さっきから抵抗しているの見えていないんですか!?」
「? 本番の前のじゃれ合いじゃなくて???」
「この……っ!!」
「ああ女の子っていいよねー。最高だよねー」
「……だとしたら、貴女の期待に沿うことはできませんね」
「?」
いい加減耳障りになってきた彼女たちを黙らせるために東城大和は口を開き───
「ボク、元『男』ですけど。それでも構わないですか?」
「何それすげぇ興奮する」
───欲望が溢れ出した。
「……はい?」
世界は女のみが得をする慣習に覆われた。
正確には魔法を使って好き放題できるようになった。
「……大和っち……?」
魔法を獲得する手段は一つ。女という性別のみ。
生まれてすぐに施される『手術』で魔法は発現されるのだが、なぜかその『手術』は女のみに効果を示す。女だけに魔法の才能が宿るのか、『手術』は女専用に構築されているのか、他に理由があるのかは不明だが、とにかく女であれば魔法を獲得できるのだ。
「わぁお。凄い暴露だねー。尊敬するっしょー」
元『男』で現『女』。
先ほどの黒く光る弾丸が手品や魔法道具の類でないとするなら、強化系の魔法を発動していたことになる。元『男』のくせに何らかの方法で性転換した『女』は時代を変えるほどの力を獲得したのだ。
もちろん東城大和はそんな戯言を信じてはいない。そんな御都合主義があるなら最高だと思っただけである。
……少々言葉選びがまずかった。
「大和っちー!!」
「ああもうっ。陽香、俺は今くそったれな東の魔女相手に生存するための方法論を組み立てているんだ! 少し静かにしてくれ!!」
「そんなのどうでもいいのよっ」
「どうでも……自殺志願かお前っ」
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