4 違和感

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次の日は終業式だった。 結局直季とは俺のせいで気まずいまま、一学期最後の一日を過ごした。 学校に向かう間も直季は一生懸命喋りかけてくれる。 だから俺も、相槌打ったり話題振ったりするけど、直季絶対俺にめちゃくちゃ気ぃ遣ってるもんな。 だからってナツキの話は昨日でケリついたみたいになってるし、またぞろ蒸し返して余計気ぃ遣ったり遣わせたりすんのも何だしさ。 あーあ。何やってんだろうね、俺。 教室について席に座ると、何だか既にぐったりだった。 自分のせいなんだけどさ。 こんな思いするなら、ナツキに手なんか出すんじゃなかったかなぁ。なんて、溜め息が出た。 そんでこういう時に限って頭上から降ってくるのは、黒田の野郎の浮かれた声だ。 「どーしたよ、相葉。明日から夏休みだっつーのに、暗いねぇ。」 「・・・ほっとけ。」 俺はわざとらしく盛大な溜め息を吐きながら顔を背けたのに、黒田のやつはわざわざ俺の顔の正面に回り込んで来やがった。 「相葉、ナツキちゃんと付き合ってるってぇ?」 内心いつ、こいつにそのことを聞かれるかと思ってはいたが、今かよ! 「おー。何か文句あるかよ。」 「ははっ、文句なんかねぇよ。むしろどっか行かね?」 俺は「はぁ?!」と顔を上げた。 黒田の奴、からかってんのか俺を。と思ったが、どうやらこいつ本気のようだ。 「聖女つながりでエミリとさぁ、相葉とナツキちゃんだろ?イオリちゃんも男できたっつってたからそのメンツで海、泊まりとか。」 見る見るうちに、黒田のエロいタレ目がますますタレて行く。 いつもの俺だったら即刻断る話だったけど、今の直季との気まずい状況から逃げ出したくて、ついその誘いに乗ってしまった。 結局その場で話はまとまり、それぞれの女に連絡をつけた。 女たちは揃いも揃って二つ返事だ。善は急げで明日の朝一出発。 ノリが軽いね、どいつもこいつも。 「明日朝一はいいけどよ、今からなんて宿どうすんの。」 「何言ってんの、相手は聖女よ?金持ってんよ?エミリんちの別荘、つかリゾートマンションがあんのよ。海からはちょっと離れてっけど、そんなの気にしな~い。」 そんな訳で、そんな面子で、海なんかに行くことになってしまった。 つーか黒田とどっか出かけるとか、初めてだわ、俺。
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