4 違和感

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駅に着くと、既に全員集合してみんなで俺を待っていた。 つーか皆、わくわくしすぎだから。 中でもナツキが一番に俺に気づいて、手を振った。 ジーンズの短いパンツにピンクのキャミソール、すその長いグレーのパーカという出で立ちだ。 いかにもリゾートっぽい底の厚いサンダルが、脚の細さを強調している。 ナツキは女3人の中では一番可愛いしスタイルもいい。 恰好も似合ってると思うし俺も笑みが零れるんだけど、なんか違和感。 でもそんなのを感じたのは一瞬のことで、次に気づいたイオリが騒ぎ出し、その違和感はうやむやにどこかへ行ってしまった。 エミリと、イオリの連れに会うのは初めてだし、ホームに向かいながら軽く挨拶を交わし合った。 「イオリ、マジ相葉くんと出かけるとか超感ゲキなんですけどー!つーかユウガくん、相葉君マジ超かっこよくね?」 お前それ、仮にも自分の男なんじゃねぇんか。 ユウガもニヤニヤ笑ってねぇで、何か言えよ。 なんてことチラッと思ったけど、他人のことなんで放っといた。 後で黒田がこっそり教えてくれたところによると、何でもユウガは俺達より2コ上のホストで、イオリは自分が彼女だと思ってるけど実はそう思わせるのが営業の、ただの客だそうで。 なんともえげつねぇ話だ。 けどそう言われてみると確かに、イオリは何でもユウガの言うことを聞いているし、金も払わせようとしないし、ホストと客というよりはむしろ主人と召使のようだった。 高3の受験生がホストクラブなんかに出入りすんのもどうかと思うが、それまず間違いなく騙されてんだろ。 ユウガっつー割には金髪がバサバサで声はカスカスで、全然優雅じゃねぇしさ。 つかナツキもエミリも、イオリに一言言ってやれよ。騙されてんぞって。
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