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プクリと頬を膨らませて、本日何度目かの言葉を発すると、ラビという小柄な悪魔は勢いよくソファーに座り込んだ。
……どうやら「出ていけ」という願いには応えてくれる気はないらしい。
これでは何でも叶えるという言葉とはかなり食い違っているのではないだろうか……。
「よいか?わしはここから出て行くつもりはない!その代わりにおぬしの手助けはできるかぎりするつもりだ。おぬしにとっても悪い話ではなかろう」
「……善意の押し付けって知ってるか?」
「聞こえぬ」
大きな猫耳がパタリと伏せられる。
随分と都合の良い耳だと感心してしまう。
どうやらこの悪魔は相当に頑固らしい。
何のつもりで居候する気かはわからないが、どうやら動くつもりはないらしいということだけはわかった。
……波乱万丈。
最も嫌う四字熟語と隣り合わせの生活。
相澤颯人の頭には、いかにして波を最小限に抑えるか。
そのことだけが堂々と巡り始めていたという。
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