第2章 天使アニエル、来訪

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何やら笑顔で早口で捲し立てるラビに対し、金髪の天使ーーアニエルは、大層御立腹らしかった。 エメラルドの瞳がキッと細められ、ちょうど頭1.5個分くらい小さいラビを容赦なく睨み付ける。 「ラビ様!!あなたはどうして無茶をなさるんですか!?僕が間に合ったから良かったものの!あのままでは黒焦げになっていましたよ!!」 「う゛ー……べつによいではないか」 「よくありません!!だいたい何です!?鳥取砂丘をフラフラしていたかと思えばスカイツリーを見に行くなどと言いだして!!僕がどれだけあの辺りを探し回ったと思っているんですか!?浅草寺の常香炉の中からスカイツリーのマスコット、ソラ○ラちゃんの着ぐるみの中まで!血眼になって探したんですからね!」 「お、おぬしマジでやったんか……?それ……」 「そしたら結局横浜ですか!?しかも……また人間なんかと一緒にいて!」 そこまでいい終えた金髪天使の瞳が、今度は後ろにいる颯人を睨み付けてきた。 その迫力に、思わず颯人は後退る。 ……美男子のキレた顔というものは、なかなか怖い。 それが整っていれば整っているほど増すものだと、変に実感してしまった気がする。 「まぁ、あまり騒ぐと向かいのおばちゃんが怖いのだ。とりあえず中に入ってゆっくり話すとしよう。ハヤトもわしのせいで状況が飲み込めておらぬはずだし」 宥めるようなラビの言葉に、金髪の天使は何か言い掛けた言葉をグッと飲み込んだ。 ……未だ、颯人を睨み付けてはいるが。 どうやら渋々了承したらしい。 ……しかし。 「(また変なの増えちまった……)」 どんどん遠退く颯人の夢。 もはや目眩すらしてきたことを述べたところで、恐らく状況は変わりはしないだろうことは、何となく理解できていた。
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