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「匡っ」
屋台から離れようとしていたタスクの右腕を掴んだ。
白くて日焼けをしていない肌がなめらかで、すいつくよう。
ただ掴んだだけなのに、俺の欲望をそそる。
「ひ、暉さんっ?」
「何やってんだよ。」
「え、えと・・・追いつきそうもなかったから・・・」
俺との視線をはずして顔を赤らめる匡。
その顔を俺のほうに向かせたいと思いながらも、グッとこらえる。
俺もついつい周りのペースで歩いてしまったけれど。
誰も匡のことを気にかけないなんて。
「ったく、あの人たちは、いっつもそうだよな・・・」
つい、イライラして言ってしまった俺の言葉に、なぜだかしょぼんとするのは匡のほう。
俺は、その苛立ちを飲み込もうと表情を隠す。
そして、匡の腕を掴んだまま、人の少なそうな神社の奥の方に匡を引っ張って行った。
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