カルテ1ー2

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顔なんて関係ないだろ。 アナと刺激でじゅうぶんだろうが。 「まぁ、オレは大丈夫ですけど?」 「あんたね……」 やっぱりコイツの口をペンチで潰して 頭はハンマーでガツンといってやりたいわ。 「よくそういう事が平気で言えるよね? 神経疑うわ」 かかわるのもめんどくさい。 おまけに、イライラするし、相手にしない方がいい。 「ホントの事しか言いませんよ、オレ」 「ああ、はいはい」 オペ室から出て、ER棟に戻る間 わたしと、陣内のサンダルの音がなんとなくハモっているような微妙なサウンドを響かせる。 それがまたムカつく。 こんなにムカついてばっかりじゃ、いよいよ 更年期シーズンじゃないかと、本気で悩んだ方がいいのかもしれない。 「あー、わたし、ロッカー寄ってくから」 思い出して良かった。 これからは陣内に借りを作るような事はしないようにしよう。 ロッカーの中で、何とも言えないモヤモヤが私を襲う。 なんだこりゃ。 イライラもマックスに差し掛かってきたからか。 「肉……、肉食わなきゃ」 ポケットの中からスマホを取り出してボスにラインを飛ばす。 "肉が足りない" ボスとはもう、何年の付き合いになるだろうか。 私が26?くらいの時からだからかれこれ10年ちょっとは世話になっているのかもしれない。
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