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膚を撫でる冷えた空気。
なのに、独特の熱さを感じる人間の体温。
直接触れ合っているのはその部分だけなのに
なんていうのか……久しぶりの感覚が湧き上がってきて
非常に困惑気味であります。
「……ね、陣内」
「なんですか、有馬さん」
「おかしいでしょ、どう考えたって」
「どうして?」
「いや、あんたさ考えてもみなよ」
真面目腐った顔には真面目で対抗するしかない、と踏んだ私は如何におかしな状況かをコンコンと説く。
「今、仕事中な訳よ。
こんなとこでさ、メジャーリーグ級の医者二人がよ?下半身丸出しとか有り得なくない?」
「いや、現に丸出しになってますけど」
ちょ、なに、コイツ。
自分の奇行は棚上げかよっ!
「忙しいんだからさ、早く戻れって訳よ」
「だから、直ぐ済みます」
「い、いや、いやいやいや、ちょっと待ってっ!!!」
あ、あぶあぶない!
これ、あぶなっ!
コイツ、馴れてるっ。
女の扱いに、慣れまくってる。
何処をどうしたらどうなるか、とか
普通に膝を割ろうとしてくる、とか
自分の目的を果たすための段取りがコイツの行動に現れていて
しかも、医者の癖に、なに??
そのまま突っ込もうとしてるってな話だ!
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