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疼くのはどこだ、と聞かれたらハッキリと言える。
容易い女だ。
たったこれだけのキスを反芻して
キュウキュウと痛いくらいにその道をぬめらせるんだから。
でも、仕方ないじゃない。
この後どうなるか……知りたいし
でもそれがあの香川かどうかは知らないけど。
気付いたら玄関で正座をしていた。
「に、にじゅうろく、で処女ってありなのかっ」
でも、経産婦って……
「矛盾しまくってんだろう……」
……私が金に魂を売って得たものは医師免許。
だけど失ったモノの方が多いような気がする。
これが
正しい出産の道を辿っていたとしたら……
正しいって?
例えば恋愛して、好きな男ができて、整った生活環境で
「セックスして」
子供が出来て、出産して……
女としての幸せを感じる事が出来るんだろうか。
ここにいる間じゅう、玄関のライトは点いたり消えたりを繰り返す。
「もー、そんな気なんて起きないかもしれない」
だけど確かにたったこれだけのキスで
私の子宮も、そこまでの道も大いに反応する。
「……何処かでヤレるチャンスなかったかなぁ」
呟いて溜め息を吐いた瞬間。
目の前のドアがガチャリと開く。
「ひいっ!」
「うっわ!なんだ、お前!」
私の悲鳴と香川の驚きがほぼ同時だった。
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