カルテ4ー2

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「どうしたんですか」 「こっちのセリフだ」 見上げた香川の驚き呆れる顔が面白かった。 「ひとりで反省するのもいい心掛けだな」 いや、ヤる事ばっかり考えてたとか もう足が痺れてきて立てないとか そんな感じだけど。 「そんなところ申し訳ないな キッチンのカウンターに携帯を忘れた。 取ってきてくれないか」 「あ、そうですか」 立ち上がろうとした矢先 足が自分のモノではない生き物になっていて つま先の感覚が既になくなっていた。 「ぎゃあっ!」 玄関ですっ転んだ私の横を香川の足がスイスイと進むのが見えた。 足の痺れが限界マックスに来ていたようだ。 「あぃ、たたたぃたい」 究極にどうしようもできないその痛痒さに 床を掴みながら苦しんでいるところをまた、香川の足が戻ってきた。 「お前は芸人に転職しろ」 そう言ったと思ったら、私を助けようともせずに 再び出ていってしまう。 鍵が掛かる音がして またライトが消える。 虚しい! 虚しすぎる! 芸人なんてできるかぁ! それから直ぐにメールの着信音がした。 私にメールをするのは今のところ香川しかいない。 「くっそぉー」 叫んだと同時に点いたライトがスポットライトのようだ。 全てにおいて煮え切る事のない歯がゆさを乗せて 夜は更けていった。
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