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忙しいのは全く構わない。
新宿醫院にいた頃はずっと無茶な労働ばっかりだった。
研究室と病棟を往復するのも問題ない。
むしろもっと色々させてほしいぐらいだ。
香川から休みを取るようにメールがきた。
香川の病院の"ドクター親睦会"に出席しろ、との事だった。
いや、顔を合わせていたんだから口頭で伝えればいいのに、これ見よがしにメールって?
「有馬先生、隣いい?」
「お疲れ様です、山河(ヤマカワ)先生」
こーゆーのは苦手。
苦手すぎて、困る。
酒の席は好きではない。
と、いうか、縁がない。
と、いうか
「あれ、有馬先生飲まないの?」
山河は香川の同級で専門は整形外科。
主に、腰椎のスペシャルだ。
「飲んだことないので……」
ウーロン茶をゴクリと喉に入れて
少しの愛想笑いもない顔を山河に向けた。
「えっ!」
驚いた顔が香川とは全く違う。
そりゃ当たり前なんだけど、何故ここで香川と比べるんだ。
ナースたちがあれやこれやと物色をしていた。
○○先生は上手だ、とか
○△先生はデカそうだ、とか
××先生は手が早い、とか
なんでみんな医者がいいんだろうか。
研修中も、大学にいたときも必ず値踏みをする。
私は値踏みの対象にもなった事はない。
誰とも一緒にいなかったからだ。
ひょっとすると影では色々噂されていたかもしれないけど。
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