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イヤか、もなにも、知らないし。
「オレに制圧されるのは、イヤか」
香川もこれで完全なんだろうか。
ってゆーか、これ以上巨大化されても困るし。
「イヤなら、今のうちに言えよ」
だから
「……知らないし、分かんない……」
首を傾げた香川がグンと近付いて
距離がますます近くなる。
今にも侵入できそうなくらいにまで迫ってから
「分からない訳、ないだろう
お前の経歴なら全部知ってる」
全部?
何を全部?
そりゃ、白石から何かしら聞いたのかも知れない。
子供を産んだ事がある、と聞いたのかも知れない。
「子供を……」
「知ってる」
太ももの裏を押し
脚を固定して
香川が自身にぬめりをまぶすようにそこを行き来した。
「ひ、っ」
擦られる事が、擦り付けられる事が
気持ちいいのと、気持ちが急くのと両方で
喉から手が出るくらいに"欲しい"と感じる貪欲さに
逃げるフリをして早く埋めて貰おうとわざと導く。
好きな訳じゃない。
ただ、欲求を満たす為にシテみたいだけだ。
後悔しないのか?
んなもん金目当てに出産するような女だ
後悔なんてある訳がない
しかも26の女が。
「ぁ」
自分に手を添えて初めの1歩にほんとの先だけを挿入(イレ)て
香川は身体を少しずつ前に倒してきた。
瞬間に強張る身体は如実にそこにも反映する。
「おい、そんなに力入れるな」
苦笑いにも似た曖昧な笑い。
香川は、知らないんだと思った。
だけどそんなこと言われたって
どうやって受け入れ、ってゆーか
「ひっ」
力を抜くのか。
内側を押し広げて進む香川の侵入を拒むように固く、固く閉ざそうとするのは私の意思では、ないはずだ。
「やっ」
「……、有馬、頼むから力抜いて」
初めての
初めての感覚に路が踊るように畝を造り
強く強く締め付ける。
頼まれても……
「どうやって……」
「なに?」
「どうやって抜けば……」
どれだけ挿入っていたのか分からないけど
確かに抜け出たような感覚があった。
「有馬、お前……」
薄い光に煽られている香川の表情がどうなっているのか分からない。
分からなかったけど、きっと分かったんだと思う。
頭を撫で近付いた唇が、私に静かに重なる。
今度は避けなかった。
どんどんのめり込んでその気持ちよさに縋りついた
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