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どこの階なのか、何番めの部屋なのか全く分からない。
とにかく手を引かれたままそこに入れられて
真っ暗の中、また、香川はおかしな事をする。
「ん、っ」
いつものキスと違ったのは
時間と侵食の具合だ。
いつもなら、せいぜい2、3秒。
だけど今は確実に息をとめていられないくらいの長さで
いつもなら、唇に擦れるくらいのタッチ
……は、通り越して唾液同士の交じる気配が否めないくらいに深い。
しかも、宛がわれたそこから何となく恐ろしい気配を感じる。
「……っ」
なにを、してるんだ、わたしは……
頭の中が香川の口の中の熱さにパニックを起こしていた。
アルコールで痺れているのか
未経験のこれに痺れているのか
熱くて、苦しくて、膝から力が抜ける。
へたり、と座り込んだそこは絨毯の上らしい。
両腕だけをそれぞれに捕られていてまるで繋がれた奴隷のようだ。
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