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「ひ、ぅっ」
グイ、と下から突き上げられて
その後、サックリと抜け出た陣内はまたスリスリと擦り寄り、呼吸穏やかに動かなくなった。
な
ななな
なにしやがんでぃ!
オレは朝からモンスター、は明らかにヌルヌルとして私の尻に貼り付き、それはまだ私がこぉんなにぬっちょぬちょだと知らしめられてるよーで
いや、実際そーなんだから、こーなったんだけども
ムカつくーーー!!
陣内はこんなにゆっくり余裕をブッコイているわけだが何時に出勤なんだ、と思ったけど
ちょっとそんな事がどうでもイイと思えるくらいに
心地よい人肌。
そして匂い。
だから微睡んでいいのかなーなんて思ってしまって……
だけど。
二度寝から目覚めた時、既に陣内はベッドにはおらず。
「……ねみぃ」
カチャリ、と寝室の扉を開けて入ってきたのが
「あ、起きたんですか、有馬さん。
揺すっても微動だにしなかったんで
風呂、勝手に借りました」
「…………」
ぼぉ、っとする頭はまだ働いてはおらず
ムクリと身体を起こしたそこへもう一発。
「有馬さんもシャワーした方がいいですよ?
なんせ、オレのと自分のがミックスでベッタベタでしょうから」
「は?」
なにがミックスだって?
寝惚けた頭で首を傾げる。
眩しいくらいの半裸を晒した陣内が
白いタオルで髪を乱す。
その隙間から寄越した視線は鋭いビームだ。
「夕べ、オレの精子にまみれたカラダ
洗った方がいいっつってんの」
「ひ!」
バッと布団を引き上げた。
「アハハハハ
もー遅いですよ。全部、見た後」
ムカつく!
なんなんだっ!
ほんとに!
周りを見回しても服がない。
そりゃそうだ、脱いだとこは風呂場、ココまでは裸。
無くて当たり前じゃん。
覚悟を決めてダッシュで陣内の脇を駆け抜けて風呂場へ一目散に飛び込む。
後ろからまた笑い声が聞こえた事に腹が立つのと
どことなく擽ったいのと
後者が恥ずかしくて慌てて出したシャワーが
冷たくて三センチは飛び跳ねた。
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