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ベッドに座った男は女をその前に立たせて吟味する。
「……歯形か……」
「ひゃ」
つい、とトリップスイッチを撫でて
その周りの輪っかにくっきり残る人の牙の痕を指先で辿った。
「やってくれるなぁ、香川先生」
アハハ、と見事に乾いた笑いを吐き出し
私を見上げるその眼差しに緩みはない。
「まぁ、噛み付きたくなる気持ちも分かりますけど
ねぇ、有馬さん?」
い、いえ、分かりません。
これじゃあいつもと立場が逆転で
しかも真っ裸で立たされるなんて
どうなんだ。
「40にしては」
「38」
クッと笑った陣内の悪戯な顔が、私の雌の部分をギャップ萌え萌えさせるじゃないか。
この、クソ陳内めぇ。
「38にしては綺麗な身体ですね、有馬さん」
な
ななな
なんとかして。
この辱しめに耐えられない。
「あ、陣内、恥ずかしいんですが……」
「いいですねぇ、恥ずかしがる有馬さん」
いやいやいや、もうほんとになんとかしてください。
「もう、暫く見せてくださいよ」
「は?」
「ずっとひん剥いてやりたかった」
血が吹き出しそうなくらい
顔の温度が上がった。
ひょっとしたら、ほんとに吹き出してたかもしれない。
鼻血が。
それくらいテンションがアゲアゲで
倒れてしまいそうだ。
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