974人が本棚に入れています
本棚に追加
ずっと、って……
やけにずっとずっと言うけどさ……
たかたが去年の10月からでしょ?
それをなに溜め込んでるみたいに言っちゃう訳?
しかもさ、あんた、結婚してないんなら最初から紛らわしい言い方すんじゃないわよ、バカ者!
なによファミリーカーとか
落ち着いてるとか
バッカじゃないの……
陣内の視線は
刺々しくメラメラと、そして
厭(イト)わしくてジリジリする。
全身を、目で舐められているようにジィとネバつくようなそれ。
もう
我慢、限界かも。
セクシャルを含む熱い息しか出ないし。
ただ立たされているだけなのに腹の奥が叫んでいる。
「有馬さん、エッロいなぁ」
「……」
「極エロ」
恥ずかしくて、やっぱり無理。
「陣内、お願いだからもう……」
俯いて、細くしか響かない声をクスリとした笑いで消されて
「じゃあ、ちゃんとお願いしましょうよ、有馬さん。」
心臓がダウンして機能を損ないそうだ。
頭の中にも身体の中にも小さな渦が出来て
私を巻き上げる。
「見ないでよ」
「目、瞑りますよ」
陣内は長い睫毛を伏せて、妖しく笑う。
……なんて、男だ。
ほら、私はどうしようもなく餓えた女だ。
陣内に一歩詰め寄り、頬に手を伸ばした。
……こんな年下の男に、良いようにされるなんて
心外極まりない。
「見てないで、……早く抱いてよ、陣内」
だけど
どうしてか、この男がいいと私の何処かが教えてくれる。
陣内は勝ち誇った様にゆっくりと瞼を持ち上げると、私の手を握りながら抱き寄せた。
最初のコメントを投稿しよう!