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陣内 岳杜という男に何も欠点らしいそれは見当たらない。
見てくれは問題ない。
清潔感が溢れるその容姿はよっぽど変な趣味の持ち主でもない限り貶(ケナ)される事はないだろう。
仕事ができて、その腕には信頼がある。
何をするにもそつなくこなし
かといってそれを自慢する男ではない。
それに。
女の扱いには慣れている
を、通り越し
自分の思い通りに従える。
……なんて恰好のまま突っ込まれてるんだ。
何だ結局突っ込まれてんのかよ、って
さらに突っ込まれそうだけど
私と陣内のこの不可思議な体位はどうなんだ。
しかも、どこも、何も触られた訳ではないのに
ただ頭を掬われて、キスをされただけなのに
じゅうぶんに陣内を招き入れた私の筋肉は
まるで主の帰りを待ちに待って、喜びまくる忠犬の尻尾のようにブンブンと奮えた。
ソファの背凭れに押し付けられた身体は半分に折られズボンもパンツもソコが出るくらいにまでしか下げられていない。
「有馬さん、身体、柔らかいんですね」
吐息に混じりながら囁いた陣内の顔は
私の両足首の間にあった。
「40にしては」
「38!」
そして、変わらずに詰まったまんまのティッシュ。
陣内は
ホントにわたしの姿形は何も気にならないようだった。
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