カルテ6ー2

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なんでこんなにだらしないんだろう。 "ピンポーン" 遠くの遠くで鳴る何かの音が 私を呼ぶものだなんて、こんな眠りの真っ只中にいる私に考えられる訳がない。 "ピンポーン" まだどこがで鳴るそれは確実に私を起こそうとしてるに違いないんだけど 毎日ハード勤務な私がビールにまみれて ソファで眠りに落ち グダグダになっているのに "ピンポーン" 気付く訳がない。 "ピンポーン" 「ああっ、もう、うるさいっ! 何時だと思ってんだ!!」 ソファからヨタヨタと起き上がり フラフラとして足元の缶を蹴っ飛ばす。 ……空でよかったじゃん。 寝ぼけて、いつもの半分しか視界が広がらない。 瞼が、開かないんだ。 ドアホンのモニターに写っていたのは 陣内だ。 あいつ、エントランスをどうやって抜けて来たんだ。 だいたい今何時なんだ。 スタスタと玄関へ向かい ドアを開ける。 「……何時だと思ってんのよ」 「髪、爆発してますよ」 「うるさいわ」 「入りますよ」 私のバリケードをスルリと抜けて躊躇もせずに 敷居を跨いで私の陣地に滑り込むと 「有馬さん」 「……眠い」 「有馬さん酒臭い」 「うるさいっつの! アルコールぐらい飲ませてよ!」 いちいちクソバカ真面目腐る陣内のチクリチクリ攻撃にいい加減目覚めてしまう。 「あんた、マジでなんなのよ……」 「起こされたくなかったら、鍵くださいよ」 「はぁ?」 なに、言ってんのコイツ! 「そしたら有馬さんを起こさずに帰って来られるでしょ」 ニヤリ、と微笑った顔は そのまま近づいて、軽く唇を重ね、離れていく。 コイツ、ほんとにここに住む気なのか…… 玄関で取り残された私。 先に上がった陣内の呆れた声が聞こえてきた。 「なんだ、この部屋」 陣内の、間抜けなクソ真面目顔が想像でき過ぎて 思わず吹き出した。
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