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笑う。
こんなシリアスな話をしてるけど
私の鼻にはティッシュが詰まっている。
笑うでしょ。
だからさ、そんなに力のあるアイビームを寄越されてもなーんかイマイチじゃない?
「有馬さん」
「は?っ、わぁ!」
「作戦変更します」
「な、なにっ」
手首を引かれてどんな早技か知らないが
私は陣内の座っていたソファに沈められ
陣内は私を膝立で跨いだ。
「有馬さん、オレと結婚してください」
「はぁ?」
危うく、鼻からティッシュが飛びそうになった。
それくらいにビックリしたんだ。
「結婚する、って言うまで離しません」
「ちょ、バカも休み休みいいなさいよ、この
大バカ者!!」
「ま、有馬さんみたいな生活力マイナスの女を好きなんだから大バカ者でも当たり前ですよ。
ほら、責任とってください」
「はあ??!」
陣内が男らしく、でもどこか色気を振り撒きながらTシャツを脱ぐ。
「もー、窮屈で窮屈で」
「わ!わ!わわわわわ!」
Gパンのボタンを外すとそこからは
オートでファスナーが下がってくる。
なんて、手間要らずな……ってぇそーゆー事じゃないし!
「なんでアンタ、勃ってんのよ!」
「有馬さん、オレの話、聞いてます?
何回言わせるんですか。好きなんですよ」
「だからってそれとこ」
「鼻にティッシュが詰まってようが
色気のないカッコだろうが
関係ありません。
ああ、違うな…………問題ありません」
下から見上げる陣内は
ものすっご
ものすっご
ものすっごく艶やかオーラを放ち
私を見下ろす。
「有馬さんがどんな姿形でもオレには問題ない」
「……じ、んない」
「やっとここまで捕まえたんだ。
逃がしませんよ、絶対」
陣内の右手が頬に届いた。
大きくて、筋肉の張った身体を屈め私の頭を掬い
あげた。
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