カルテ6ー3

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「関係ないのに巻き込まないで欲しい」 「いらない、って言えば問題ない」 「……いつまでも付き纏う ボスも、白石も……」 元はといえば、私の所為なのは分かってる。 例えばボスがいなかったら 私はどうなってたんだろうか。 いや、考えるまでもなく、新宿醫院が拡大されて まだ私はそこにいたに違いない。 「香川先生、有馬先生、別室へお願いできますか」 ブレイドさんの声だった。 私の沈んだ気持ちなんて全く皆無のいつもの音。 「今、行く」 ボスだって私に関わったばっかりに こんな面倒な事になって……被害者の一人だ。 「なんでボスは文句言わないんですか…… 私なんてほっとけばこんな訳分かんないことにならなかったし 自分の病院と、会社の事だけ考えられたのに」 何時までたっても卑屈な私は惨めだ。 ボスは何も言わずにそんな私の手を引き、ブレイドさんの後ろに続いた。 扉が開いてビックリだ。 なんだこりゃ。 なんとか家のなんとかだ。(←なんだそりゃ。) 白石の親族会議??にお招きされたらしい。 楽しい宴とはうって変わって、厳粛なムードが広がっていた。 クソ代表ザルの横には書類を持った人が2、3人。 おそらく弁護士。 私たちが部屋に通された途端に 一斉にジロリと睨まれる。 アウェイもいいところだ。 しかも、みんな怖い面構え。 そりゃそうだ。 一族?ファミリー? 私なんか特に「誰だてめぇ、ごら」なーんて 言われたって別に不思議じゃない。
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