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陣内がなんでここにいるんですかー!
挙手をもって是非に伺いたい。
陣内がなぜ……
いつもの陣内と違うのは
・眼鏡がない
・前髪があがってる
・スーツ着てる
それに。
・私を一切見ない
「なに、あれ」
当然の呟きだろうに、隣のボスは何も反応しない。
「岳杜さん!」
シルバー眼鏡が慌てていて
隣の書記は顔色ひとつ変えずにパソコンに向かう。
陣内の名前はじんないがくと。
陣内は……母方の苗字なのか。
クソ代表ザルがまたまた高らかな笑いをかっ飛ばした。
「これはこれは」
周りの親族の嫌そうな顔がさらに嫌そうに、歪んで歪んで、……なんだこれ。
「おにいさん、ご無沙汰しています」
クソ代表ザルのセリフがまた私を"は?"で埋め尽くす。
いや、埋め尽くすどころの話ではない。
私自身がもう疑問の塊。
おにいさん、って、なんだよ、おい。
おいこら、クソザル!
いや、おにいさんはどう考えてもお兄さんじゃねーのか、こら!
バサバサの睫毛が邪魔だと思った。
視界に黒いモノがいつもよりも沢山影を見せているからだ。
部屋の空気が静かなのが嫌だ。
だって、これって……みんな陣内のことを知ってるって事でしょう?
"誰だてめえ"とか"出ていけごらぁ"とか何も言わないじゃん。
じゃあやっぱり陣内は
白石のファミリーの……
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