カルテ6ー3

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「有馬さん、マジで気持ちヨ過ぎ……」 何度も言うが、今私の鼻の穴にはティッシュが詰まっている。 それなのにこの男はそんな事にはまるで目もくれず 唇を合わせ、頬を啄み、目頭に押し付け 「有馬さん、……好きです……」 気持ちを漏らし、私を揺する。 私も、好きだと言えばいい? それとも、結婚するって言えばいい? 陣内 陣内、お願いだから早まった真似はしないでよ。 「じんないっ」 本当に嫌なら 蹴っ飛ばしてでも、殴り倒してでも逃げればいいじゃない。 「じんない、ナカで出したら もう口きいてやらないからっ」 一瞬だけ、目を細めた表情が悲しそうに見えた。 「結婚なんて、アンタとはできないからっ」 もう、イク。 「だけど、束縛しないなら 一緒にいてあげるっ」 恥ずかしくて、だけど気持ちよくて 陣内にしがみつき 声を出したくなくて、肩に噛み付いて堪えた。 「……どうして どうして貴女は……幸せになろうとしないんだ……っ」 私のすぐ後、腰を押さえて滾る息を吐き 最深部を刺してそこから引く抜くと モンスターは白い雄叫びをあげる。 「オレじゃ……ダメですか」 初めて見た。 クソミソ弱そうな陣内を。
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