カルテ6ー3

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陣内は暫くしてからまた、私に巣食った。 怒りとも取れるくらい乱暴に抱き締める癖に 身体のナカで蠢くモンスターはのらりくらりで 擦(ナス)り付けるそれはマーキングのようだ。 陣内の何処かが燃えている。 この男は、熱くて、厚くて 簡単には諦めてくれそうにない。 「ん、ない……」 ベッドへ押し付けられていた手を それぞれに首へと回させて私に吐息をかける。 もう身体が限界だった。 疲れて、眠くて だけど、陣内が気持ちよくて身体がコイツを求めているのも事実。 瞼を閉じると何度も煌めく閃光 同時に送り出される幸せホルモン 「……有馬さん、忘れないで」 真っ昼間からのセックスはエロくて新鮮。 ファストセックスもいいけど やっぱり、こっちのがいい。 「オレはずっと、貴女が好きです 何があっても、……どうなっても……」 「……わかった、……たから」 こんなにくっ付いているのに まだ、足りないと言わんばかりに腰を抱き 前に進もうとする。 「じんないっ、じんないっ」 毛穴が立ち上がった。 陣内のいる路(ミチ)の壁が粟立ち 蠕動をさかんに行う。 目鼻立ちの整った顔が婀娜(アダ)と苦(ク)を湛えながら密かに歪み、そこに艶(エン)が添えられる。 大きく息を吸い込んだ陣内の唇。 柔らかくて少し分厚いプロテクターのその奥は 私を舐め尽くした舌がまた絡んでくる。 激しくて、でも心地いい 「 ま、さん、やば……デる」 惹かれる音と耐えながら留まり圧し上げて引き抜くお決まりのモーションに、ぐっと心臓を掴まれた。 互いの隙間に放り出された伊吹の芽。 それを拭う事なく微睡みに落ちたのは言うまでもない。
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