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約束の時間が過ぎていたのは仕方がない。
眠りについてしまったのは
これまた仕方がない。
陣内の強い欲と私のエロい欲とが合わさった結果だ。
陣内だって何日も寝ずに働いてるんだ。
しかもあんなに精力(パワー)を浪費して疲れていない訳がない。
私がベッドから抜け出しても
陣内は気付かなかった。
窓の外が淡いオレンジに色を染めていて慌てて散らばった服と鞄だけを掻き集めて出てきた。
「くそぅ、パンツ何処にあったんだ」
首を傾げて気付く。
あ。
ティッシュ、詰まったまんまだし。
「ワハハハハハハ」
鼻の異物を引き抜いて、カピンカピンになったその先を見て笑いが出た。
カピンカピンと言えばお腹の皮膚もそんな感じ。
やだ、やだ、ノーパンに鼻ティッシュとか!
ウケる!
マジでウケる!
陣内の家が通りに面してなくて良かった。
これじゃあ大バカ者だ。
しかも変態のつく大バカ者。
なんでこんなに色気のない女なんだ。
ゴムでひと纏めにしただけの散切り頭を撫でた時
ジョガーパンツのポケットが震えた。
「はい」
『有馬先生、どちらに』
「ごめ、ブレイドさん、ちょっと分かんないえっとね……」
近くに場所を確認する何かを探す。
周りが家だらけな事で住所を告げる事ができた。
『お迎えにあがりますので……』
「うん、わかった」
代表との約束は16時だった。
今は時既に17時30分。
だって仕方ないじゃん、陳内が離してくれなかったんだもん。(←まるっきり人の所為)
ブレイドさんの車は思いの外早くに私を迎えにきて
それに驚いた。
「有馬先生」
「ブレイドさん、ごめん」
「大丈夫です、さぁ、こちらへ」
なんか久しぶり
ブレイドさんの隣に座るの。
「……あ、ブレイドさん私風呂入りたい」
「そうですか、では準備させておきます」
「ありがとうございます」
まさか精液にまみれて洗ってない、とは言えないが。
まさかパンツを履いてないとも、言えないが。
どこかへメール連絡を済ませたブレイドさんが
変な事を聞いてきた。
「有馬先生、どなたかとご一緒だったんですか」
「へ?」
ひょっとしたら……気付いたのかも。
イカ臭かったのかも、しれない。
そりゃあ、雄盛りの【濃厚な2発】を浴びたんだから
そんな名残が残っていても不思議じゃない。
いやいや、ダメだろ。
どこまで下品な作品にするつもりだバカ者。
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