カルテ6ー3

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「一緒だったら何か問題でも?」 「いいえ」 ブレイドさんはそのガタイの良さからは想像できない柔らかな笑顔を見せた。 「ブレイドさんって、謎だわ」 「そうですか」 「そもそもなんで"ブレイド"なんだか」 「ああ、そうですよね。はははは」 ちょっと声をあげて笑うブレイドさんにも驚いた。 なんだなんだ、世代交代でブレイドさんも ニューバージョンなのか? はぐらかすのは大得意なブレイドさんにこれ以上聞いたとしても、正しい解答は返ってこないだろう。 「ね、何処に行くんですか」 「今日は白石グループの総会があるんです」 「……総会?」 「そうです」 「私が出るの?」 首を激しく傾げてブレイドさんに向く。 「いいえ、有馬先生はその後のレセプションの招待客のお一人です」 「は?」 「香川先生もいらっしゃいます」 「は?」 意味、分かんないし。 ワケ、分かんないし。 「なんで?」 「前社長が…… 白石社長が、財産分与をされたからです」 「は?」 本当に、意味が分からなかった。
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