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「ブレイドさん、めんどくさそうだからさ、帰る」
「いえ、有馬先生には居ていただかないと」
「いや、いーや、訳わからんし」
「有馬先生……」
死んでからも面倒事に巻き込もうとしてるんだったら
白石、あんたホントに厄介。
「有馬先生には白石前社長が財産の分与をされていらっしゃいます。
本日は、……相続分の放棄をしていただきたいと思います」
「……なんだそれ」
勝手だ。
勝手に遺産を分けられて
勝手に放棄をさせられて
いや、まぁ、貰うつもりもないし
知らない事だからさ
放棄するんだけど。
いい迷惑だっつの。
「……めんどくさい……」
「申し訳ありません……
先生にはご迷惑のかからないよう対処させていただきます」
「こんな事しなきゃならないのが面倒だよ……」
ブレイドさんに言っても仕方ないけど
とにかく文句を言わなきゃ収まらない。
こんな事の為に陣内を置いて出てきたんだ。
……ん?そんな風に言ったら
陣内と離れたくなかったみたいじゃん。
なんとなく凍てつく雰囲気を放っている私を気遣ってかブレイドさんはそれ以上なにも話しては来なかった。
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